接客や営業の現場で、「このクレーム対応、何かおかしい」と感じた経験はありませんか。近年、通常のクレームを超え、働く人々の心身を脅かす「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が深刻な問題となっています。
厚生労働省も対策ガイドラインを公表し、企業として従業員を守る体制整備は急務です。株式会社ARKSでは、ネームプレート型カメラ「TAG-RECO(タグレコ)」でハラスメントを自動録画し、従業員を守る仕組みを提供しています。
この記事では、悪質なカスハラ事例10選と具体的な対処法、「初動対応チェックリスト」を公開します。
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?基本定義と企業の責務
カスハラへの適切な対応は、まず定義の理解から始まります。「困ったお客様」と「ハラスメント行為」を明確に区別することが重要です。
通常のクレームとカスハラの判断基準
- 正当な理由や目的の有無:商品やサービスに関する具体的な不満があるか
- 社会通念上不相当な要求かどうか:要求内容や手段・態様が過剰でないか
- 業務妨害や人権侵害にあたるかどうか:従業員の尊厳を傷つけていないか
例えば「商品の不具合で交換してほしい」は正当なクレームですが、「担当者を土下座させろ」「SNSで拡散するぞ」はカスハラに該当します。
企業が取り組むべき理由と法的根拠
企業には労働契約法第5条に基づき、労働者の生命・身体等の安全を確保する義務(安全配慮義務)があります。また、厚生労働省のパワハラ防止指針(令和2年告示第5号)は、顧客等からの暴行・脅迫・暴言・不当要求等について、相談体制整備や被害者配慮等の取組が望ましいとしています。
カスハラ対策を怠ると、従業員の健康被害、企業イメージの低下、人材の離職といった問題が発生します。
✓ ポイント: カスハラは「お客様の要望」ではなく「ハラスメント行為」という認識を組織全体で共有し、明確な基準を設けることが重要です。
顧客クレームを超える「カスハラ」事例10選と対応策
実際の現場で発生しやすい10のカスハラ事例と対応策を紹介します。
事例①:長時間・高頻度の拘束
延々と同じ話を繰り返したり、営業時間を超えて居座る行為は業務妨害です。
対応のポイント: – 最初に対応時間の制限を明確に伝える – 時間が来たら責任者に交代するか対応を終了 – 電話は必ず録音し、記録を残す
事例②:人格否定・侮辱発言
「バカ」「使えない」などの暴言は人権侵害です。SNS等での中傷は、名誉毀損(刑法230条)や2022年改正で厳罰化された侮辱罪の対象となり得ます。
対応のポイント: – 即座に注意し、発言の撤回を求める – 改めない場合は対応を中断し、上司に報告
事例③:土下座・謝罪の強要
土下座や過剰な謝罪を強要する行為は強要罪(刑法223条)に該当し得ます。
対応のポイント: – 決して応じない – 「不当な要求です」とはっきり伝える – 撮影の動きがあれば警察への通報も検討
事例④:過剰な金銭的・サービス要求
軽微な欠陥に対し、高額な補償や無料サービスを要求するケースです。
対応のポイント: – 会社の規定に基づいた対応を説明 – それ以上の要求には応じられないと明確に伝える
事例⑤:性的な言動・セクシャルハラスメント
容姿への発言、不必要な身体接触、性的な言動は刑事事件に発展しうる行為です。
対応のポイント: – 直ちに中止を要求 – 被害者を現場から離し、責任者が対応 – 記録をしっかり残す
事例⑥:プライベートな情報の詮索
業務に関係のない個人情報を執拗に聞き出そうとする行為です。
対応のポイント: – 「個人情報保護の観点からお答えできません」と伝える – 一貫した態度で拒否する
事例⑦:SNS・インターネット上での誹謗中傷の示唆
「ネットに書き込むぞ」といった脅迫は、態様によって威力業務妨害(刑法234条)等の対象となり得ます。
対応のポイント: – 発言を詳細に記録する – 「法的措置を検討します」と伝える
事例⑧:威圧的な態度・暴力・物的損壊行為
大声で怒鳴る、物を投げる、備品を壊す行為は即座に警察の介入が必要です。
対応のポイント: – 身の安全を最優先し、直ちに110番通報
事例⑨:解決済みの案件の蒸し返し
過去に解決した問題を何度も持ち出し、新たな要求をするケースです。
対応のポイント: – 過去の対応履歴を共有 – 既に解決済みであることを書面で伝える
事例⑩:理不尽な第三者への要求
「担当者を懲戒解雇しろ」など、人事権や組織運営に介入しようとする行為です。
対応のポイント: – 「組織として判断する事項です」と伝える – 個人への攻撃を企業全体で受け止める
✓ ポイント: どの事例にも共通するのは「毅然とした態度」と「記録の徹底」です。TAG-RECO(タグレコ)なら自動的に証拠を残せ、法的措置を取る際の強力な証拠となります。
カスハラ発生時の「初動対応」チェックリスト
カスハラに遭遇した際、冷静に対処するための具体的なアクションリストです。
初期対応の5つのステップ
① 相手の情報を確認する – 氏名、連絡先、所属を確認(安全が最優先)
② 複数人で対応する – 決して一人で対応せず、証人を確保
③ 記録を徹底する – 会話や電話を録音・録画し、日時・内容を詳細に記録
④ 毅然とした態度を保つ – 過度な謝罪は要求をエスカレートさせる
⑤ できないことを明確に伝える – 曖昧な表現は避け、会社の規定を根拠に説明
エスカレーションの判断
- 責任者・上司への報告:個人ではなく組織として対応
- 110番通報:暴力・脅迫・物損など緊急時はためらわず通報
場所情報や状況を簡潔に伝える準備を日頃から共有しておくことも重要です。
事後対応とメンタルケア
- 詳細な記録の作成:次回同様の事態に備える
- 担当者のメンタルケア:産業医やカウンセラーとの面談機会を設ける
✓ ポイント: 初動対応の質が、その後の展開を大きく左右します。日頃からロールプレイング形式でシミュレーションを行うことが大切です。
企業・組織としての恒久的な対策
組織全体で継続的に取り組むべき対策を整理します。
対応マニュアルと教育体制の整備
対応マニュアルの作成 – カスハラの定義と判断基準を明文化 – 対応手順とエスカレーション先を明確化
従業員教育・研修の実施 – ロールプレイング形式で実践的なスキルを習得 – 全従業員への定期的な研修
相談体制と予防措置
相談窓口の設置 – 社内窓口と社外窓口(顧問弁護士、産業医)を構築
毅然とした姿勢の明示 – 店舗やウェブサイトに「カスハラはお断り」のポスター掲示
記録システムと法的対応
証拠記録システムの導入
株式会社ARKSのTAG-RECO(タグレコ)を導入することで、自動的に音声・映像を記録し、法的措置を取る際の確実な証拠となります。
録音・録画の法令面の留意点 – 利用目的の特定(防犯・トラブル対応等)と本人が容易に認識できる掲示 – 顔識別機能利用時は、利用目的の通知・公表が必要 – 防犯目的で取得した映像のマーケティング転用には事前同意が必要 – 保管期間・アクセス権限等の社内規程を整備
法的措置の検討 – 顧問弁護士との連携体制を構築 – 悪質なケースには警察への被害届提出や訴訟も辞さない姿勢
✓ ポイント: 恒久的な対策は、トップのコミットメントが不可欠です。経営層が「従業員を守る」という明確なメッセージを発信することで、組織全体の意識が変わります。
まとめ
カスタマーハラスメントは、働く人々の尊厳と企業の生産性を脅かす深刻な問題です。「明確なハラスメント行為」として認識し、組織全体で毅然とした態度で対応することが重要です。
カスハラ対策の3つの柱
① 明確な定義と基準の共有 – 正当なクレームとカスハラの境界線を明文化し、組織全体で共通認識を持つ
② 実践的な対応体制の構築 – 対応マニュアルの整備、ロールプレイング研修、相談窓口の設置
③ 証拠記録と法的対応 – 記録システムの導入、顧問弁護士・警察との連携体制
TAG-RECO(タグレコ)の活用
株式会社ARKSのTAG-RECO(タグレコ)は、ネームプレート型でクレームやハラスメントを自動録画し、担当者の心理的負担を軽減するとともに、法的措置を取る際の確実な証拠として機能します。
カスハラから従業員を守ることは、企業の社会的責任であり、法的義務です。対応マニュアルの整備、従業員教育、相談体制の構築、そして記録システムの導入を通じて、安全で働きやすい職場環境を実現することが求められています。
「お客様は神様」という考え方は時代遅れです。顧客と従業員が互いに尊重し合える関係こそが、持続可能なビジネスの基盤となります。
